万一に備えるための〜保険の相続対策
万一に備えるための〜保険の相続対策
文書作成日:2023/07/05
保険料負担者と死亡保険金

保険料負担者が複数人いる死亡保険金の課税関係はどのようになりますか?

Q
今月のご相談

 私の祖父が亡くなりました。私は祖父の相続人ではありませんが、祖父は生命保険に加入しており、私が受取人になっていたため、死亡保険金を受け取りました。保険料を3人(祖父、父、私)で負担して、払込みは終わっています。この場合、受け取った死亡保険金の課税関係はどのようになるのでしょうか。契約内容は以下のとおりです。

【契約内容】
  • 保険種類:終身保険
  • 契約者:祖父
  • 被保険者:祖父
  • 死亡保険金受取人:私
  • 保険金額:6,000万円
  • 保険料総額:5,000万円(支払い済み)
  • 保険料負担の内訳:
     祖父負担分:3,000万円
     父負担分:1,000万円
     私負担分:1,000万円
A-1
ワンポイントアドバイス

 今回のご相談の場合、受け取った死亡保険金の課税関係は、誰が負担した保険料に対応する保険金かによって異なります。

A-2
詳細解説
1.死亡保険金の受け取りに対する課税の取扱い

 死亡保険金の受け取りに対する課税の取扱いは、保険料負担者と保険金受取人との関係で、次のとおり異なります。

契約形態 課税関係
被保険者 保険料負担者 保険金受取人
@ 甲(被相続人) 甲(被相続人)
(甲の相続人)
相続税
(非課税枠の適用あり)
A 甲(被相続人) 甲(被相続人)
(甲の相続人ではない)
相続税
(非課税枠の適用なし)
B 甲(被相続人) 贈与税
C 甲(被相続人) 所得税
住民税

@・A:被相続人である甲が負担した保険料に係る死亡保険金については、相続または遺贈により取得したものとみなして、相続税が課税されます。ここでの「非課税枠」とは、死亡保険金の受取人が相続人の場合に、相続税の課税上、相続税の課税財産とみなされる死亡保険金の合計額のうち、「500万円×法定相続人の数」までが非課税となる制度のことを指します。乙は甲の相続人のためこの非課税枠が適用できますが、丙は甲の相続人ではないため、非課税枠は適用できません。

B:保険料負担者が被相続人以外の者で、保険金受取人が保険料負担者と異なる場合に死亡保険金を受け取ったときは、保険料負担者から保険金受取人に対して死亡保険金を贈与したとして、贈与税が課税されます。

C:保険料負担者と保険金受取人が同一人であり、かつ、その者が被相続人以外の場合に、死亡保険金を受け取ったときは、一時所得として所得税及び住民税が課税されます。

2.ご相談のケース

 ご相談の場合、保険料負担者は、ご祖父様、お父様、相談者ご本人の3人です。一方、保険金受取人はご相談者様のみとなります。
 このような関係の場合の課税関係は、次のとおりとなります。

契約形態 課税関係
被保険者 保険料負担者 保険金受取人
ご祖父様 ご祖父様 ご相談者様
(ご相談者様の相続人ではない)
相続税
(非課税枠の適用なし)
ご祖父様 お父様 ご相談者様 贈与税
ご祖父様 ご相談者様 ご相談者様 所得税
住民税

 被相続人であるご祖父様が負担した保険料に対応する保険金額は、遺贈により取得したものとみなして相続税が課税されます。この場合、ご相談者様はご祖父様の相続人ではないため、非課税枠は適用できません。

 また、お父様が負担した保険料に対応する保険金額は、贈与税が課税されます。
 その他、ご相談者様(孫)が負担した保険料に対応する保険金額は、一時所得として所得税・住民税が課税されます。

3.保険金額の按分計算

 保険金額は、各々が負担した保険料の保険事故までに支払った保険料全額の割合によって按分計算します。
 ご相談の場合は、次のとおり按分計算します。

<ご祖父様から遺贈によって取得したとみなされる保険金額>

<お父様から贈与によって取得したとみなされる保険金額>

<ご相談者様(孫)本人が取得したとみなされる保険金額>

 このように死亡保険金の受け取りに対する課税の取扱いは、保険料負担者と保険金受取人の関係によって異なります。どのパターンが最も有利となるかは、状況次第で異なります。相続に関するご相談は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。

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