お金に困らないための〜税金の相続対策
お金に困らないための〜税金の相続対策
文書作成日:2023/11/05
相続によるインボイス発行事業者の引継ぎ

インボイス発行事業者であった父が死亡したことによりテナントビルを相続したのですが、インボイス発行事業者の登録の効力を引継ぐことはできますか?

Q
今月のご相談

 父は、2023年10月下旬に死亡しました。
 相続人は母と私の2人で、父が所有していたテナントビルは、相続により私が取得します。
 父は適格請求書発行事業者(以下、インボイス発行事業者)として、テナント入居者に対してインボイスを発行していたようです。
 私はサラリーマンで、インボイス発行事業者ではありません。このような場合、父のインボイス発行事業者の登録の効力を相続により引継ぐことはできますか?

A-1
ワンポイントアドバイス

 インボイス発行事業者の登録の効力を相続により引継ぐことはできません。ご相談者様がインボイスを発行したい場合には、ご自身の名前でインボイス発行事業者の登録を行う必要があります。

A-2
詳細解説
1.インボイス発行事業者

 2023年10月1日より、消費税の計算上、仕入税額控除を適用するには、原則としてインボイスの保存が必要となりました。

 このインボイスは、インボイス発行事業者でなければ発行できません。

 そのため、インボイス発行事業者の登録を受ける必要があります。ただし、消費税の課税事業者でなければ登録申請をすることはできません。

 さらにインボイス発行事業者である間は、免税事業者となることはできず、課税事業者のままです。

 つまりインボイスを発行する間は、消費税の申告納税義務が発生することとなります。

2.インボイス発行事業者に相続が発生した場合

 インボイス発行事業者が個人の場合で、当該個人が死亡したことにより相続が発生したときは、まずその相続人は「適格請求書発行事業者の死亡届出書」を提出する必要があります。

 また、次のいずれか早い日にインボイス発行事業者の登録の効力が失われます。

  • 届出書の提出日の翌日
  • インボイス発行事業者の死亡日の翌日から4月を経過した日
3.インボイス発行事業者でない者が相続により事業を承継した場合

 今回のケースのように、相続により事業を承継した相続人がインボイス発行事業者でない場合において、インボイス発行事業者の登録を受けるためには、登録申請の手続を行う必要が生じます。

 この場合、次のいずれか早い日までの期間は、相続人をインボイス発行事業者とみなす措置が設けられています。

  • 相続によりインボイス発行事業者の事業を継承した相続人の相続のあった日の翌日から、その相続人がインボイス発行事業者の登録を受けた日の前日
  • インボイス発行事業者の死亡日の翌日から4月を経過した日

 このみなす措置が適用されている期間は登録は有効で、その登録番号は相続人の登録番号とみなすこととされます。

 そのため、途切れることなくインボイスを発行し続けるには、遅くとも死亡日から4ヶ月以内に相続人自身が登録を受ける必要があります。

 なお、インボイス発行事業者である間は、必ず消費税の申告納税義務が生じます。消費税の申告納税の計算にはいくつか種類があるため、どの計算方法が最も税負担が軽減できるか試算する必要があり、場合によっては届出等を行う必要も生じます。

 相続による事業承継は、相続税以外の税金も考える必要があります。税金に関するご相談は、お気軽に当事務所までお問い合わせください。

<参考>
 国税庁HP「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。
 本情報の転載および著作権法に定められた条件以外の複製等を禁じます。
お問合せ
道下敏光税理士事務所
〒170-0013
東京都豊島区東池袋1-44-10
        タイガースビル1007号
TEL:03-6907-7050
FAX:03-6907-7051
 
 
 

あなたの会社お金と利益を増やす為に必要なノウハウ相続イロハ
書籍 税務調査

小規模宅地特例の活用

経営革新等支援機関

税調査対策研究会