トラブルにならないための〜法律の相続対策
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文書作成日:2023/03/20
死後事務

今回は相談事例を通じて、死後事務委任契約についてご紹介します。

Q
今月のご相談

 私は3年前に夫を亡くし、自分の死後について考えるようになりました。私には子供がおらず、兄弟とは疎遠で甥姪とも会うことがありませんので、頼れる身内はおりません。今は自宅に住んでいますが、身体的に不自由を感じるようになったので、有料老人ホームに入ることを検討しています。
 私が老人ホーム等に入居した場合、私の死亡後の施設利用料の精算や退去手続きは親族にお願いするしかないのでしょうか。
 また、私の遺骨はお世話になっているお寺さんに供養してほしいのですが、疎遠な身内にお寺さんとのやり取りをお願いするのは気が引けてしまいます。身内に頼らない方法はありますでしょうか?

A-1
ワンポイントアドバイス

 「死後事務委任契約」を検討されてはいかがでしょうか。

A-2
詳細解説

 葬儀・火葬に関する手続きや、医療費、介護施設の費用の支払いなど亡くなってから必要となる手続きがいくつかあります。近しい親族がいれば、その方が当たり前に行っていますが、頼れる親族がいない方や、親族に迷惑をかけたくないとお考えの方もいます。当たり前に行われている葬儀の主宰やその他の事務も、友人や専門家など親族ではない方が行うには、何の権限でそれらの事務を行うのか、その費用の出所をどのように担保するのかなど悩ましい問題が生じます。これらを解消する仕組みとして死後事務委任契約が注目されています。

 死後事務委任契約は、親族・友人等の関係者への連絡事務、本人の遺体の引き取り、葬儀・供養、施設利用料等の未払費用の精算などの事務の遂行を受任者に任せるための仕組みです。死亡後の希望を残すという点では遺言をイメージされる方もいるかもしれませんが、死後事務は遺言(遺言執行者)では対応できませんので、遺言と死後事務の役割は違うということへの理解が必要になります。

 死後事務委任契約は、委任者が死亡しても当該委任契約が終了しない旨の特約をつけることで、委任者が亡くなった後の事務を受任者が行うことを約束するものですが、この特約の有効性については、民法653条1項を任意規定と解釈した上で認められています(最判平成4年9月22日)。契約自体の有効性は認められていますが、遺言や死因贈与のように財産の処分ができるのかという点は争いがありますので、死後事務の行為に疑義が生じないようによく検討しましょう。

 高齢化に伴う課題は、死後の事務に限らず、判断能力の低下による自身のための財産の使い方、終末期の医療の在り方、財産の承継・寄付など様々です。人それぞれ課題や希望は異なりますが、いずれにしてもお元気なうちにしか、考えて判断することはできません。これからの生活をより良いものにするためにも、自分のことについて、元気な今から考えることは大切です。お近くの専門家に相談していただくと、解決の糸口が見つかるかもしれません。

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